2024年11月2日土曜日

フレットすり合わせツール

テンションかけたままフレットすり合わせが出来たら完璧なんだろうなぁ...と、世のDIYギターリペア勢は思っていることだろう。だが、最近、弦を張ったままフレットすり合わせ...ナット側に下駄噛ます...なんてキーワードを目にして想像を膨らませていたら、「あ、そうか...アレを使えば専用工具が無くても出来るのか。」と閃いた。というワケで、簡単な方法を教えよう。

準備するもの
・誰の家にもあるアルミチャンネル(コの字)30x30mm 長さ150mmで十分
 https://www.monotaro.com/p/8619/5497/
・割りばし

作業工程
・弦を張った状態でナット近くに割りばしを挟み弦を持ち上げる
・コの字の下面に紙やすりを貼る
・弦と指板の間にコの字を入れてすり合わせる

コの字の長さは100~150mmが良いんじゃないかと思う。まぁ実際は、アコギのハイ起きとかを調整するなら、ロングスケールの12~19フレットあたりまで届く120mmくらいあれば十分かもしれませんが、自分が何をしたいかで判断すれば良いと思う。例えば弦を張った状態ですり合わせをするのに、究極の真っ直ぐネック状態をトラスロッドで調整してから行うのか、それとも普段使っている状態の弱順反りでやるのか、人それぞれだと思います。近隣フレットとの落差だけに注目するならヤスリは短く、全体的な高さバランスに注目するならヤスリは長く...そんな傾向かな。

コの字の幅は、エレキのブリッジ1~6弦距離で54mm程度だと思うので、ネックの真ん中まで届くくらいあれば楽という判断で30mm。別にコの字は15mmでも20mmでも構わない、家にあったらなソレを使えば良い。

なお、ガッツリ削ったフレットは頭が平らになっちゃってるので、最後にフレットファイルでクラウン(山)を作ると良いでしょう。
YouTubeを見てると、えらい大変なジャンクギターDIYをしておいてフレットファイルでクラウン作ってる映像が無いのが多い気がする。あれってホントにやってないのか、わざと見せてないのか、どっちなんでしょうね。

あ、こんなのも売ってるらしい。
StewMac Fretbar Understring Leveler
https://guitar-kaizou.net/review_stewmac-fretbar-understring-leveler.html

フレットすり合わせは、①自分でやりたい人が、②構造を分かって、③正解イメージを持って、④現物を見て、⑤それを正すために手を施す...これが重要なのですよ。自己責任で出来る人だけに有益な情報なのだと思う。

ここまでが構想で、とあるホームセンターで何か良いツールが無いかな?と考えていたら閃いてしまった。コンクリートを塗る鏝の小さいヤツ。一番安いヤツを700円くらいで見つけてしまった。
どうやって使うかというと、こんなイメージ。

紙やすりはどうやって貼り付けるかというと、弱い両面テープがベストかなと思う。だが、鏝はフレットすり合わせ専用とするなら、しっかり両面テープでサンドペーパーを貼って、使い終わったらそのまま保管でも良いと思う。

真・DIYフレットすり合わせツール
・誰の家にもある左官こて
 https://www.monotaro.com/s/?c=&q=%E3%81%93%E3%81%A6
・割りばし

結局、ギターの指板等の安全性を考えると、弦高上げるのに挟むのは割りばしも良いけど、スポンジでもウレタンでもタオルでも構わない。アイデア次第だ。私は隙間を埋める用途なのか何なのか分からないが、長さ1mくらいの10mm角ウレタン(1面に両面テープ付)を100円以下で見つけたので、それを確保した。これで十分だ。


実践編
素材:Gibson Flying V 67 Reissue(1995,ナッシュビル工場製)
状態:ネックは強め順ぞり&弦高高めでセッティング
施工時調整:トラスロッド調整をネックを極力ストレート化(バズる状態、12フレットで6弦1.75mm,1弦1.50m程度の弦高)
追加措置:フレットクラウン形成

施工後にトラスロッドを気持ち60度ほど戻し、12フレットで6弦2.00mm,1弦1.50m程度の弦高に調整した。作業はフレットクラウン形成22フレット分が一番時間を要したが、コードを押さえたままビブラートをかける時のスムーズさに大きな差となって表れた。また、音は太く高音もハッキリ、まるでピックアップを交換したくらい音が変わった。やった甲斐はあった。

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