2023年9月10日日曜日

BOSS ME-90 Part.4

ME-90の紹介記事を見ると、コンパクトエフェクターの集合として使うことも出来るという特徴ばかり。そこはオマケで、あくまでパッチを作って切り替えて使うものだし、本体だけでパッチ作りがしやすいものだと思うが、こいつはAIRD世代最安値税込み4.4万でIRデータに対応し、SEND/RETURNがあって、各バンク4つのパッチを登録出来る製品だという点に着目してほしいと思う。

演奏時操作性が分かるようペダルスイッチ数に着目して、BOSSマルチエフェクター製品の仕様を書き出してみた。

■BOSS GT-1000
BOSSマルチエフェクターのフラッグシップ。フラッグシップだけにBOSSの最高音質、思いつくこと全て詰まっているのだろう。1バンク5パッチ、1パッチに3つのCTL設定がある(1バンク5種類のサウンドが切り替えでき3CTLでエフェクトON/OFF等設定が可能、合算すると1バンク最大20サウンド切り替え可能とも言える)。スピーカーやマイクタイプを選んで出力設定できるほか、IRデータにも対応している。
ペダルスイッチは計10個。
 BANKUP
 BANKDOWN
 CTL1
 CTL2
 CTL3
 パッチ1,パッチ2,パッチ3,パッチ4,パッチ5
バンク50×5パッチ×4(3CTL)
SEND/RETURNは2系統。
IRデータに対応。

■BOSS GX-100
BOSSマルチエフェクターのミドルクラス。1バンク4パッチ、1パッチに2つのCTL設定がある。画面がタッチスクリーン。GT-1000ほどの機能・音質が要らん人とか、価格差を考えれば大抵の人は7万のGX-100で良いかも。
ペダルスイッチは計8個。
 BANKUP
 BANKDOWN
 CTL1
 CTL2
 パッチ1,パッチ2,パッチ3,パッチ4
バンク50×4パッチ×3(2CTL)
SEND/RETURNは1系統。
IRデータに対応。

■BOSS ME-90
BOSSマルチエフェクターのエントリークラス?。1バンク4パッチ、1パッチに1つのCTL設定がある。液晶画面は無いけどノブが沢山ある。GTシリーズはエフェクター並び順をカスタマイズできるが、こいつは出来ない。スピーカーやマイクタイプを選んだ出力設定UIはBOSS TONE STUIDIOに搭載していないが、ユーザーが追加したIRデータが使えるので実は自由度が高いと思えば良い。物理ノブで操作出来ないことを全排除しているのが気になると言えば気になるが、エントリーとしては正しいのかもしれないな。
ペダルスイッチは計8個。
 BANKUP
 BANKDOWN
 CTL1
 MEMORY/MANUAL
 パッチ1,パッチ2,パッチ3,パッチ4
バンク9×4パッチ×2(1CTL)
SEND/RETURNは1系統。
IRデータに対応。
単3電池4本で駆動可能。

■BOSS GT-1
BOSSマルチエフェクターのエントリークラスで旧世代COSMだが音質的にも問題ないと思う。バンクという概念は無く1パッチに1つのCTL設定がある。ME-90より細かく音作り出来るが、ペダルスイッチが少ないが、踏みやすいペダルスイッチだ。PCで音を作ってDAWし、たまに外に連れ出すだけなら、こいつで良いんじゃないかなと思う。世代が古くIRデータの読み込みには対応していないが、スピーカーやマイクタイプを選んで出力設定できるので内蔵IRデータだけしか使えない仕様だと考えれば良いのかもしれない。
ペダルスイッチは計3個。
 BANKUP
 BANKDOWN
 CTL1
バンクはなく、99パッチ×2(1CTL)
SEND/RETURNなし、IRデータに非対応。
単3電池4本で駆動可能。

■BOSS MS-3
BOSSのスイッチャー+エフェクター。ただし、アンプシミュレーターもキャビネットシミュレーター(IRデータ)もPCオーディオインターフェースもヘッドホン端子も搭載していない。

という感じです。

GT-1ユーザーがペダルが足りないとか、SEND/RETURNやIRデータを使ってステップアップを考えているなら、ME-90かGX-100が良いでしょうね。一通りのマルチエフェクターエフェクター機能が欲しい方はGX-100。マルチの濃い世界(プリアンプ2系統をミックスとか)が不要な方、単純操作が良い方、電池駆動可能な方が良い方、DAWにも使うがME-90の機能限定具合を楽しめる重篤な方、そういう方にはME-90でしょう。

ME-90は、物理ノブがあって、電池駆動出来て、SEND/RETURNが1系統あって、AIRD世代で、IRデータを使えて、DAWにも対応出来て、値段が安いという特徴。1バンク4パッチ1CTLというのが便利だと思うので、ノブのあるなしは気にせず、44000円の比較的安いマルチエフェクターという意識で買っても良いと思う。下手にNUXとかMOOREとかの3万前後の中華を買うより良いと思う。

ちなみに、私はME-90にBluetooth接続のオプション機器(BT-DUAL)も付け、Androidアプリ(BTS for ME-90)を試してみたけど、アプリが横画面に対応していないっぽい。げ、スマホ専用かよ。古い10インチタブレットをME-90専用にしようと思っているので、横画面対応してくれると嬉しいですね。

KORG A5

BOSS ME-90を使い始めて、KORG A5を思い出した。

■KORG A5
KORG A5を弾いている人の動画を発見した。きちんと弾かないと音詰まりする感じ、懐かしいw。マルチエフェクターというものが世に出たのは何時なのか分からないけど、学生が買えるような値段で出てきたのは、この頃だと思う。動画を見ると、意外に使えると思いません?未だに中古1000~2000円とかで見かけるので結構な数が世に出たんでしょうね。マルチエフェクターの複雑なのが怖いと思う人、多くは求めないので安いコーラス・ディレイが欲しい人は、こんなのを使ってみる手がありますよ。ついでに言えば、歪みのコンパクトエフェクターを使いたいならA5の前に繋げば良く、A5をコーラス・フランジャー・ディレイとして使うのもアリだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=N6DsnE41vsA

驚いたんだけど、KORGが紙説明書をスキャンしたPDFを公開していた。説明書を今見てみると兎に角シンプルです。
https://www.korg.com/jp/support/download/manual/1/303/3829/


私のマルチエフェクター遍歴
1990~:KORG A5
2005?~:Zoom G7.1ut
2017~:BOSS GT-1(現役)
2022~2023:NUX MG-30(下取り)
2023~:BOSS ME-90(現役)

1990年当時、コピーバンドをやるためコーラスorフランジャーとディレイが必要と思い店に行ったのに、KORG A5を買って帰ってきたんじゃなかったかなと記憶している。色んな曲をやるのにパッチ切り替えの方が現実的なので、初マルチエフェクター音作りを頑張った記憶がある。おかげで、コーラスとフランジャーとディレイでどんな音の変化があるか一通り分かったし、パッチ切り替えで音切れするけど奏者が頑張れば何とかなることも分かった。
歪みはイマイチだったが、KORG A5だけに機材集約し最小化した記憶がある。何はともあれ、KORG A5は軽くて持ち運びも楽だったし、アンプに繋いで一通りのことが出来たので、積極的に買い替えに至らず長く使えたのだと思う。

■KORG A5の前に歪みエフェクター
1990年頃、私が初めて買ったマルチエフェクターがKORG A5ですが、それまでに使っていたのは歪み系×2(KORG DistortionとDOD FX-50B)。ディレイも買ったが直ぐに売ってしまったのでノーカウント。何時からだったか忘れましたが多分1988年前後から、歪みを2個直列(KORG→DOD)に繋いで使っていました。
DOD FX-50Bは、ゲイン8以下だと音は良いけどゲインが足りないので、KORGをブースターとして前段に配置してみたら、アンプ歪みのような良い音が出て驚くとともに、当時は「歪みコンパクトエフェクター直列接続」なんて聞いたことが無かったので、変な罪悪感がありましたね。結局、罪悪感なんて投げ捨てて、音重視・演奏性重視で直列で使うようになりましたね。DOD FX-50Bは今でいうプリアンプ的なコンパクトエフェクターだったので、もっと評価されて良いと思います。ただ、DOD FX-50Bを私以外が使っているのを見たことがないからマイナーなのは確かだなぁ。

KORG A5動画と同じ人がFX-50B動画を出してた。昔ながらの良い音が出るエフェクターだというのが分かると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=oCnX59xM1xs

で、KORG A5の前に歪み系×2(KORG DistortionとDOD FX-50B)を繋ぎ、A5は空間系として使うのが実は当時の私の音質最強セットだったのだが、パッチ切り替えがワンプッシュというわけにはいかなくなるので、歪み系×2(KORG DistortionとDOD FX-50B)は使わずに済むよう、A5のディストーションでギリギリ許容できるドライブサウンドを頑張って作った記憶がある。ちなみにギターはTokai SilverStar改HSHでフロント・リアはDiMarzio Super Distortion(旧)、センターシングルはノーマルだった。