ナット交換でアップデートされたMagnastarを触っていて思ったのが、ピックアップ磁力の影響で6弦ハイフレットで音が濁っている気がした。どのギターも6弦17フレットで綺麗な音が鳴るか?と言われると微妙なんだけど、ギターによって濁りの程度が違う気がする。その中でもMagnastarは濁りが強い気がするので対策をしてみようと思う。
【フロントピックアップ高さ調整】
音の濁りは具体的にどういうことかというと、音程がぼんやりしているのが分かる状態です。5弦17フレットは音程がハッキリ感じるのに、6弦17フレットはヴォーンという何とも言えない感じ。これをマシにしたいという話ですね。
状況が酷いと6弦17フレットでチューナーがAの音を感知できません。開放弦やローフレットの時とチューナーの挙動が明らかに違って、一瞬音程を見失うなんてことがあります。様々な調整を施しコンディションが良くなると、少なくとも6弦12フレットと5弦14フレットのパワーコードなど、使うのを避けがちだったポジションの音が使えるようになります。
さて、調整第1ステップは...
・フレットは均され音がビビらない
・ネックは適正に弱順反り
・差し込み角とブリッジ調整で、12フレット1弦1.5mm~6弦2.0mm、最終フレット弦高は1弦2.5mm~6弦3.0mmくらい。これは高めの一例。
・弦高調整を楽に1か所だけで決めたいなら、17フレット弦高を1弦2.0mm~6弦2.5mmくらいにする。これも高めの一例。
・極力ピックアップを下げてオクターブチューニングする
この状態が、素人がDIYで出来る良い状態だと思う。逆に言えば、これでも変な音がするなら、どっかが共振しているのかもしれないので、そのポイントの共振を抑えるくらいしか手が無い。対策は、ガタを無くすとか、共振しないようオモリを貼って固有振動数をズラすとか。なお、メーカー標準弦高は、もっと低いと思います。
調整第2ステップは...
・フロントピックアップのみ上げていく
・自分の許容範囲内で音程感を確保
・音質的、ゲイン的に満足いくピックアップ高さ
調整した感触としては、フロントピックアップは下げれば下げるほど音程感はマシな気がする。とあるサーの出荷時ギターは最終フレットを押さえた時のフロントピックアップと弦のクリアランスは以下のようだ。磁力影響を抑えるため、ここからピックアップは下げる方向とのこと。
シングルコイル・マグネットポールピース
→6弦下からポールピースの上部までが3.2mm、1弦側は2.4mm
ハムバッカー・バーマグネット
→6弦下からポールピースの上部までが2.0mm、1弦側は1.2mm
Magnastarのシングルコイルはバーマグネットなんで、磁力影響は概ね無視できると考え、今まで感覚的にフロントピックアップは2mmくらい突出してても余裕だよねと思っていて、とあるサーのハムの上限値とほぼほぼ同じくらいのクリアランスだったわけです。だが、この状態で6弦ハイフレットの音に濁りを感じるので、これより下げるしかないわけです。下げれば下げるほど良い気がしたのは、そもそもピックガードとツライチまでフロントピックアップを下げた状態で4mm程度にしかならなかったからだと思う。
今回調整の落としどころは、6弦下からポールピースの上部までが約3mmが上限としました。つまり、6弦側はピックガードからのピックアップ出っ張りが1mm以下というセッティング。ここが妥協点かな。
【リテーナー高さ調整】
まだ追い込みたいところが、3弦ハーモニクスが弱い点だ。どこかで共振しているのか、3弦ハーモニクスのサスティーンが短くてアームを触ると直ぐに音が死ぬ。TUSQナットに交換して暫くたって調整していたら、何となく原因が分かってきた。
Magnastarは3,4弦と1,2弦にカモメ型リテーナーが付いているのだが、私は1,2弦だけ使用していた。アーミング後チューニングの安定性を考えれば、ナットやリテーナーの抵抗は少なければ少ないほど良いのかなと思っての措置だった。TUSQナットへ交換後、気まぐれで全ストリングガイドを使うようにしてみたんだが、3,4弦開放生音で少しビビり音が聞こえた。手でヘッド側の弦を押し下げるとビビり音は消える。え?....3,4弦は純正リテーナーより更に弦を押し下げなきゃダメだったかぁ。う~ん、ナット交換してビビり音として聞き取れるようになったんだろうけど、きっとそれ以前からだったんだろうなぁ。
というワケで、3,4弦用リテーナーのシャフト部分スペーサーだと背が高くビビりを抑えきれないので、必要以上には下げないよう手持ち樹脂ワッシャーで高さ調整する方式にした。1,2弦用リテーナーより若干高い程度となるワッシャー3枚が落としどころとなり、3,4弦も5弦と同じような角度になった。これでもレスポールのヘッド角より浅いと思う。純正リテーナーで09-42弦だと、テンションが弱かったのかな。
これで3弦3フレットハーモニクスはアームを触ったらすぐ死ぬ状況から改善された。全体的に音の輪郭がパキッとした気がする。もしかしたら、ナットに必要なテンションがかかってないと、高音ってスポイルされるのかも。
というワケで、ストリングガイドの存在理由が分かった。ギターって微妙なバランスの上に成り立ってるんだね。
2024年8月28日水曜日
Magnastar2024-3
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