2025年1月31日金曜日

Killer KG-Stallion その8

使い勝手が良くお気に入りのKiller。仕様について振り返ってみよう。

・オリジナルのFroyd Rose搭載(ライセンスじゃない!)
・ネックがヒールレスジョイント(四角じゃないが4点)
・1Vol1Tone,ダイレクトスイッチ付
・ジャックが短い足の先にある(ボディ裏舟形じゃない)

この仕様から1988~1990くらいのモノなんだろうと思われる。当時の値段がなかなか検索ヒットしないが、多分155000円だったのだろう。一説によるとジャックが初期型以降は舟形になったような雰囲気。舟形じゃないから、うちのは初期のKG-Stallionなんだろうなぁ。

ピックアップがリア:LZ-510 Dyna-bite、フロント:LQ-500という今でも売ってるピックアップ。コイツは優れモノで気に入っている。意外なことにハイパワーすぎないのでハイが潰れずフロントは実に味のある音が鳴る。フロントリアのミックスではカッティングも出来るような組み合わせだ。見た目からは想像できないかもしれないが、70~80年代ロックとかも非常に合う音が出る。

弾きこんでみて分かったけど、フロイドローズをダウン専用とすることで、チューニングもアーム無しギター以上の安定感なので、すごく気に入った。ほかのアーム付きギターもダウン専用にしたくなるくらいコンディション維持が楽だ。信頼性って重要だと感じさせられるギター仕様だね。なお、アーミングする時の操作は、フローティング設定同様にアームを上下に揺する操作をすると違和感なく音を揺らすことが出来る。
なお、アーム慣れしてない人のただただアームを押し下げるやり方だと、アーミング中の音程は常に基音からフラットした音しか出ないので、ヘタクソに聞こえるんですよね。シンクロとかでガッチガチにアームアップこれ以上できません状態でバネを張っていると、そもそもスムーズなアーミングは出来ないので、アームを使わない前提でのバネの張り方だと認識すべきだ。ダウン専用でもアーミングすることを前提とするのであれば、1弦が切れたくらいなら音程を誤魔化せる程度のバネの張りにするべきだろう。フローティング+αのバネの張りなんです。

【6弦解放の音程が低い】
そんなスタリオン君ですが、2024年末頃に6弦解放のチューニングが合わなくなった。例えば6弦5フレットを押さえた時にAが出るようチューニングを合わせると、解放時Eが明らかに低い。ブリッジ側の弦接点がおかしいのか?と思い、ちょっと弦を切り詰めてみたりしたのだが治らない。もしかしてヘッド側かと思ってナットキャップを外してガン見したら、ロックされているナットキャップ部から0フレットまでの間の1~2mmくらいが振動しているようだ。ナットキャップ~0フレットの箇所に摩耗が見られ、特に6弦が削れているようだ。その結果、解放弦だけスケールが1~2mm長い状態だったのですよ。

ロックナットの0フレット側高さを少し稼いであげれば治りそうだなと思い、ロックナットを外し0フレット側の下に紙2枚(約0.2mm)を幅1mm少々に切って挟み込んで再度ロックナットを装着したら、チューニング問題は解決した。というか、全部の弦の音が少しハッキリしたように感じた。どの弦もナット部でバズり気味だったんでしょうね。0フレット位置では弦高が0.2mmくらい上がったハズだが、操作性に違和感は感じなかった。0.2mmくらいまでが違和感を感じる感じないの境界線だと思う。
ナットを弄って思うのが、解放弦の音のハリが変わるのは分かるんだが、フレット押弦した音も変わるんですよ。これのメカニズムは説明に苦慮するんですが、弄る人はだいたい感じるようですね。ようは、どっかで弦がバズっていると、それだけでエネルギー損失し、高周波数帯が減衰しやすいんでしょうね。

今回分かったのが、フロイドローズのロックナットのナット側も摩耗するということだ。30歳越えのギターですから少しずつ摩耗したのでしょう。

対策としては、ロックナット取付角を0フレット側をほんの少し高くする。ロックナット交換も良いのかもしれませんが、ネックへの固定方法も様々なので、スリップイン出来るものが簡単に入手出来るかどうかも怪しい。だったら、私のやった対処方法が正解、ロックナットの高さや角度は、シム(紙)で調整がベストだろう。なんせ相手にしているのは0.1~0.2mmでの調整だ。

あと、ナットキャップ底面(弦が触れる側)にRが無いように見え、ナットとナットキャップのRが一致しないから、弦をホールドしているのがナットキャップの腹に見える。ナットキャップの端でホールドしてほしいなぁ。これも、ロックナットの摩耗につながると思うんだよね。調べてみると、ナットキャップもメーカーや年代によってナットのRに沿ってたり沿ってなかったりするようです。気になるので、ナットキャップに少しだけRを付けるようヤスリで削ってしまおうか考え、やるなら丸い缶に紙やすりを貼って、その上でナットキャップに軽くRを付ければ良いのだろうと思うが、ナットキャップのメッキが取れるのもどうなんだろうね。

ナットって重要だなぁ。メカニズムを知らないと、こんなもんなんだと放置されギターの寿命とか思われるんだろうな。弦を交換したら治るよとか、弦が09-42だと細いとか、見当違いのアドバイスが聞こえてきそうですね。今までフロイドローズのロックナットが摩耗したって話はほぼ聞いたことがない。ロックナットのところで弦長がおかしくなっているんじゃないかとアタリを付けた上でナットキャップを外してロックナットをガン見したから気付いたようなもんだが、こんなの普通は気付かないよ。

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