取り急ぎ、チューニングが荒ぶっておられる問題に対応しよう。ナットは交換したので様子見。なので、ブリッジ側の対応が必要だろう。
ネットで調べるとPRS SEで弦が切れるって話が多く、純正ブラス製サドルにバリがあるとか言われているが、メッキ剥がれはあったがバリは目視できなかった。何はともあれ、サドルの滑りが悪い説もあるのでセラグリスHGを塗ってみたら多少マシになったが、まだ安定には程遠い。
抜本的かどうか分からないが、サドル交換という手がある。
GRAPHTECH PS-8220-00
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/89728/
ある意味、PRS SEでの定番なのかな。弦が切れやすいのは解消するらしい。
良く考えると、ストラト用の弦間10.5mmサドルなら搭載できそう。そしてGOTOHからロック式のサドルが売られている。ロマンがあるな。
GOTOH LS105
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/354859/
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/346117/
だが、セッティングでまだ手があることに気付いた。買ってきた時より今の方がチューニングが合わない理由は、ブリッジ高さをメーカー標準の1.6mmに下げたので、相対的にサドルをイモネジで上げたせいじゃないのかな。
直接的ではないけど、ヒントはここにあった。
http://www.eonet.ne.jp/~o2factory/sr.html
つまり、サドルを上げると、弦が折れる角度がきつくなり、弦とサドルの接する圧が高くなり、サドルと弦が滑りにくいはずです。ブリッジの6点止めネジを1mm高くして、逆にサドルを1mm下げれば良くなるんじゃないかと思う。
ちなみにPRSブリッジは、弦の巻き止め部がプレートギリギリに設定されており、ベースプレートで弦の折れる箇所からサドルまでの弦の長さが最小となるよう考えられているようだ。PRSのノウハウが詰め込まれたブリッジなのだろう。もう一歩突き詰めるならGOTOH製シンクロのFST機構かな。
https://g-gotoh.com/images/pdf/510T-SF1-Dim-ja.pdf
サドルが高いと弦の折れ角度が大きくなり、弦の滑りが悪くなりチューニング安定性が損なわれるのかもしれません。よし、角度を計算してみよう。
底辺がベースプレート穴からサドル折れ点まで距離a、サドル部折れ点までの高さb、これから角度を計算してみよう。なお、サドル自体の高さは6mmと想定しているので、そこから1mm単位で計算してみた。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228774
6弦
a=6,b=6(イモネジ突出0mm),45.0度
a=6,b=7(イモネジ突出1mm),49.4度
a=6,b=8(イモネジ突出2mm),53.1度 ←少し狂う
a=6,b=9(イモネジ突出3mm),56.3度
5弦
a=7,b=6(イモネジ突出0mm),40.6度
a=7,b=7(イモネジ突出1mm),45.0度
a=7,b=8(イモネジ突出2mm),48.8度 ←ほぼ狂わない
a=7,b=9(イモネジ突出3mm),52.1度
4弦
a=8,b=6(イモネジ突出0mm),36.9度
a=8,b=7(イモネジ突出1mm),41.2度
a=8,b=8(イモネジ突出2mm),45.0度 ←ほぼ狂わない
a=8,b=9(イモネジ突出3mm),48.3度
3弦
a=7,b=6(イモネジ突出0mm),40.6度
a=7,b=7(イモネジ突出1mm),45.0度
a=7,b=8(イモネジ突出2mm),48.8度 ←狂う
a=7,b=9(イモネジ突出3mm),52.1度
2弦
a=8,b=6(モネジ突出0mm),36.9度
a=8,b=7(イモネジ突出1mm),41.2度
a=8,b=8(イモネジ突出2mm),45.0度 ←少し狂う
a=8,b=9(イモネジ突出3mm),48.3度
1弦
a=9,b=6(イモネジ突出0mm),33.7度
a=9,b=7(イモネジ突出1mm),37.9度
a=9,b=8(イモネジ突出2mm),41.6度 ←ほぼ狂わない
a=9,b=9(イモネジ突出3mm),45.0度
破線が弦だと思ってください。サドルの〇のところで弦が折れる角度の話です。サドルをイモネジで上げると角度がきつくなります。またサドルを後ろ側にするほど角度がきつくなります。図の〇がちょっと大きすぎたかもしれないが、実際は半径1mm少々だと思うんだ。イモネジの突出量は極力小さくした方が良いと思う。代わりにブリッジ6点止めネジでブリッジ全体を上げよう。ただね、多分、純正状態でイモネジは頭を0.5mmくらいは出した状態だと思うので、これは私のあくまでテストです。
指板R10inchはR254mmだから弦間ピッチ10.5mmで計算すると、ブリッジ部で指板Rと同じ高低差とするには、1弦サドルに対し3弦サドルは0.434mm高い状態が必要だ。う~ん、なんかシックリこない。そもそも1弦と6弦でも弦高も違うぞ。あ、指板Rがきつめなら、1弦チョーキングで音詰まり防止を考えるなら、1弦の弦高は高めである必要があるな。あと、6弦の弦高を2.0mmにするとオクターブチューニングの限界ギリギリなんで、6弦は1.75~1.80mmくらいにしよう。6弦1.75mm,5弦1.75mm,4弦1.75mm,3弦1.70mm,2弦1.65mm,1弦1.60mmにしようと思う。一応、ブリッジは6弦側を0.15mm高めに設定するつもり。
PRS SEブリッジは、6本止めだけどナイフエッジ加工されているしネジにも窪みがあるので、傾斜取付も可能。PRS SEブリッジの設定方法だが、以下テストをしようと思う。
1.1弦と6弦のサドルはイモネジ突出0mmとする
→実際は突出0.05mmくらいでイモネジ支持状態とする
2.12フレット弦高を、1弦1.60mm、6弦1.75mmにブリッジ傾きで調整する
3.サドルイモネジ突出を、12フレット弦高で調整
→4~6弦は1.75mm、そこから1弦1.60mmにすりつける調整
テストした感想だが、サドルを極限まで下げても、チューニングが完全に落ち着いたワケじゃない。ブリッジは3.0mmくらいボディから浮いた状態なので少々違和感があるかも。
弦高を6弦から1弦へ、1.75,1.75,1.75,1.70,1.65,1.60mmとしてみたワケだが、09-42では正解だと思う。6弦のオクターブチューニングも概ね合い、5,6弦でのコードが綺麗に鳴るようになった。オクターブチューニング調整範囲を考えれば6弦1.75mが私の仕様では上限のようです。
なお、今回設定方法は極端な例だ。これでチューニングが完全に安定すれば実施価値はあるが、09-42でもチューニング安定度は実用レベルになったが、完全にチューニングが安定したわけではない。なので、最終的にはブリッジ本体を0.5mmほど下げ、サドルイモネジが1mm未満の突出となるようにサドルを上げて6弦から1弦へ1.75,1.75,1.75,1.70,1.65,1.60mmになるよう調整すれば良いかなと思っている。それでチューニング安定に大きな変化が無いなら、ブリッジ固定6本ネジへの負担的にも落としどころだと思う。
それにしても中途半端にチューニングが狂うのが気になるなぁ。スムーズなアームなので躊躇せず使いたい。やっぱ、もう一手、やっちゃうか...