2025年2月20日木曜日

PRS SE EG HSS その8

取り急ぎ、チューニングが荒ぶっておられる問題に対応しよう。ナットは交換したので様子見。なので、ブリッジ側の対応が必要だろう。

ネットで調べるとPRS SEで弦が切れるって話が多く、純正ブラス製サドルにバリがあるとか言われているが、メッキ剥がれはあったがバリは目視できなかった。何はともあれ、サドルの滑りが悪い説もあるのでセラグリスHGを塗ってみたら多少マシになったが、まだ安定には程遠い。

抜本的かどうか分からないが、サドル交換という手がある。
GRAPHTECH  PS-8220-00
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/89728/
ある意味、PRS SEでの定番なのかな。弦が切れやすいのは解消するらしい。
良く考えると、ストラト用の弦間10.5mmサドルなら搭載できそう。そしてGOTOHからロック式のサドルが売られている。ロマンがあるな。
GOTOH LS105
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/354859/
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/346117/

だが、セッティングでまだ手があることに気付いた。買ってきた時より今の方がチューニングが合わない理由は、ブリッジ高さをメーカー標準の1.6mmに下げたので、相対的にサドルをイモネジで上げたせいじゃないのかな。

直接的ではないけど、ヒントはここにあった。
http://www.eonet.ne.jp/~o2factory/sr.html

つまり、サドルを上げると、弦が折れる角度がきつくなり、弦とサドルの接する圧が高くなり、サドルと弦が滑りにくいはずです。ブリッジの6点止めネジを1mm高くして、逆にサドルを1mm下げれば良くなるんじゃないかと思う。

ちなみにPRSブリッジは、弦の巻き止め部がプレートギリギリに設定されており、ベースプレートで弦の折れる箇所からサドルまでの弦の長さが最小となるよう考えられているようだ。PRSのノウハウが詰め込まれたブリッジなのだろう。もう一歩突き詰めるならGOTOH製シンクロのFST機構かな。
https://g-gotoh.com/images/pdf/510T-SF1-Dim-ja.pdf

サドルが高いと弦の折れ角度が大きくなり、弦の滑りが悪くなりチューニング安定性が損なわれるのかもしれません。よし、角度を計算してみよう。

底辺がベースプレート穴からサドル折れ点まで距離a、サドル部折れ点までの高さb、これから角度を計算してみよう。なお、サドル自体の高さは6mmと想定しているので、そこから1mm単位で計算してみた。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228774
6弦
a=6,b=6(イモネジ突出0mm),45.0度
a=6,b=7(イモネジ突出1mm),49.4度
a=6,b=8(イモネジ突出2mm),53.1度 ←少し狂う
a=6,b=9(イモネジ突出3mm),56.3度
5弦
a=7,b=6(イモネジ突出0mm),40.6度
a=7,b=7(イモネジ突出1mm),45.0度
a=7,b=8(イモネジ突出2mm),48.8度 ←ほぼ狂わない
a=7,b=9(イモネジ突出3mm),52.1度
4弦
a=8,b=6(イモネジ突出0mm),36.9度
a=8,b=7(イモネジ突出1mm),41.2度
a=8,b=8(イモネジ突出2mm),45.0度 ←ほぼ狂わない
a=8,b=9(イモネジ突出3mm),48.3度
3弦
a=7,b=6(イモネジ突出0mm),40.6度
a=7,b=7(イモネジ突出1mm),45.0度
a=7,b=8(イモネジ突出2mm),48.8度 ←狂う
a=7,b=9(イモネジ突出3mm),52.1度
2弦
a=8,b=6(モネジ突出0mm),36.9度
a=8,b=7(イモネジ突出1mm),41.2度
a=8,b=8(イモネジ突出2mm),45.0度 ←少し狂う
a=8,b=9(イモネジ突出3mm),48.3度
1弦
a=9,b=6(イモネジ突出0mm),33.7度
a=9,b=7(イモネジ突出1mm),37.9度
a=9,b=8(イモネジ突出2mm),41.6度 ←ほぼ狂わない
a=9,b=9(イモネジ突出3mm),45.0度

破線が弦だと思ってください。サドルの〇のところで弦が折れる角度の話です。サドルをイモネジで上げると角度がきつくなります。またサドルを後ろ側にするほど角度がきつくなります。図の〇がちょっと大きすぎたかもしれないが、実際は半径1mm少々だと思うんだ。イモネジの突出量は極力小さくした方が良いと思う。代わりにブリッジ6点止めネジでブリッジ全体を上げよう。ただね、多分、純正状態でイモネジは頭を0.5mmくらいは出した状態だと思うので、これは私のあくまでテストです。


指板R10inchはR254mmだから弦間ピッチ10.5mmで計算すると、ブリッジ部で指板Rと同じ高低差とするには、1弦サドルに対し3弦サドルは0.434mm高い状態が必要だ。う~ん、なんかシックリこない。そもそも1弦と6弦でも弦高も違うぞ。あ、指板Rがきつめなら、1弦チョーキングで音詰まり防止を考えるなら、1弦の弦高は高めである必要があるな。あと、6弦の弦高を2.0mmにするとオクターブチューニングの限界ギリギリなんで、6弦は1.75~1.80mmくらいにしよう。6弦1.75mm,5弦1.75mm,4弦1.75mm,3弦1.70mm,2弦1.65mm,1弦1.60mmにしようと思う。一応、ブリッジは6弦側を0.15mm高めに設定するつもり。


PRS SEブリッジは、6本止めだけどナイフエッジ加工されているしネジにも窪みがあるので、傾斜取付も可能。PRS SEブリッジの設定方法だが、以下テストをしようと思う。

1.1弦と6弦のサドルはイモネジ突出0mmとする
  →実際は突出0.05mmくらいでイモネジ支持状態とする
2.12フレット弦高を、1弦1.60mm、6弦1.75mmにブリッジ傾きで調整する
3.サドルイモネジ突出を、12フレット弦高で調整
  →4~6弦は1.75mm、そこから1弦1.60mmにすりつける調整

テストした感想だが、サドルを極限まで下げても、チューニングが完全に落ち着いたワケじゃない。ブリッジは3.0mmくらいボディから浮いた状態なので少々違和感があるかも。
弦高を6弦から1弦へ、1.75,1.75,1.75,1.70,1.65,1.60mmとしてみたワケだが、09-42では正解だと思う。6弦のオクターブチューニングも概ね合い、5,6弦でのコードが綺麗に鳴るようになった。オクターブチューニング調整範囲を考えれば6弦1.75mが私の仕様では上限のようです。

なお、今回設定方法は極端な例だ。これでチューニングが完全に安定すれば実施価値はあるが、09-42でもチューニング安定度は実用レベルになったが、完全にチューニングが安定したわけではない。なので、最終的にはブリッジ本体を0.5mmほど下げ、サドルイモネジが1mm未満の突出となるようにサドルを上げて6弦から1弦へ1.75,1.75,1.75,1.70,1.65,1.60mmになるよう調整すれば良いかなと思っている。それでチューニング安定に大きな変化が無いなら、ブリッジ固定6本ネジへの負担的にも落としどころだと思う。

それにしても中途半端にチューニングが狂うのが気になるなぁ。スムーズなアームなので躊躇せず使いたい。やっぱ、もう一手、やっちゃうか...

2025年2月17日月曜日

PRS SE EG HSS その7

ギターを組んではバラし、自分に最適な仕様にカスタムするのが私のスタイル。そこで工具が必要になるのだが、もとは車用に持っていた工具を使うことが多い。ただ用途が違うから小回りが効かないのが難点だよね。必要とか便利とかでギター弄りに適した工具が揃いつつあるので、EGさんを弄るタイミングで使っている工具をまとめようと思う。

①ストリングワインダー
もとは、Yamaha Pacifica 721DHの純正工具に付いてきたストリングワインダーを使っていた。くるくる回るところのタッピングビスが定期的に緩むし、緩みが大きいところで安定するようになってしまったので、セカストで安く売ってたストリングワインダーに乗り換えて数年経った。

②ハンダ鏝&逆作用ピンセット
定期的に先端を変えられるよう流通量の多い30Wのハンダ鏝を使っている。スポンジ付スタンドも併用しているので、使用時には先端を綺麗にしてから使えている。ポットやスイッチにハンダする時にあると便利な逆作用ピンセットも使っている。あとは100均のクランプ・F字クランプ・バイスプライヤー・シャコ万力を部材固定に使っている。

③GISUKE六角レンチセット
DiMarzio Super Distortionのポールピース高さを弄ろうと思った時にインチの六角レンチが必要となった。ホームセンターで探し、GISUKEの六角レンチセットを見つけ、インチとミリの両方を確保した。ホルダー付なので、無くしてしまう心配も無くなった。ギター弄り趣味の人は、持っておいて損はない六角レンチセットだと思う。

④フレットファイル HOSCO ( ホスコ ) / TL-FF2&左官鏝(小)
弦を張ったままフレットすり合わせをするためのツールとして左官鏝(小)、フレットクラウンを整えるフレットファイルを使っている。フレットクラウンを普通のヤスリで作っている人も居るが、少なくとも私は出来る気がしないので、フレットファイルを買ったワケです。フレットすり合わせ時に併せてフレットファイルを使うと完成度が違います。チョーキング時の滑りが違いますよ。DIYフレットすり合わせで効果を実感した人ほど、フレットファイルの必要性を感じるのかもしれませんね。

⑤ダダリオ PW-SHG-01 String Height Gauge
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/265365/
無くても何とかなるといえばなるんだが、自分でギター調整をして理想を追いたい人は必須かなと思う。弦高調整が捗ります。0.25mm単位で見れるので、目分量で弦高0.1mmくらいを見極められます。巻き弦で弦高を下げると、バズりが多く望んでない倍音ばかり増え、シャーシャーした芯の無い音になりますが、弦高を上げてやると基音が聞こえてきます。かと言って弦高上げ過ぎは6弦オクターブ調整がサドルのスライド限界を超えることもある。妥協点を探していくことになると思う。

⑥デジタルノギス&プラのノギス(100均)
0.1mm単位で寸法を測りたい時に使うノギス、合うネジは何かなど仕様確認のために持っておきたいアイテムだ。例えば、ギターではサドルサイズとかナットサイズとか弦間ピッチとかを測り、仕様確認し使用できる部品を探すのです。
休日鞄には、10cm程度のプラのノギスと貰いもののカードサイズのミニメジャーを入れて持ち歩き、買い物時の寸法確認に使用している。

⑦アネックス 397-D クイックボール72 ラチェットドライバー
ギター専用というわけじゃないけど、早回しのためラチェットドライバーを買ってみた。六角のソケットになっていて、先端を好きなものに差し替え可能なので、棒の長さは自分の好きなものを選べば良いです。ストラト等ピックガード固定ネジを外すのに、ラチェット式の方がラクかと思って買ったが、そうでもなかったw。ほとんどラチェット機能を使わず、丁度良い長さの先端を入れて普通にドライバーとして使うことが多いかもw。VESSEL貫通ドライバーとグリップ感が同じなので良いものです。ラチェットドライバーは1つ持っていて損は無いと思う。

⑧ピアノ線対応ニッパー&先端の細いラジオペンチ
Yamaha Pacifica 721DHの純正工具に付いてきたニッパーが長年の使用により刃がダメになった。代わりに手持ちラジオペンチや100均ニッパーで弦を切ったりもしてみたが弦に負けるのが分かった。ピアノ線に対応した良いものが欲しいと思っていたのだが、ピアノ線に対応したプロ用は高価だ。躊躇していたところにハードオフ工具館がオープンし、中古ほぼ未使用のニッパーとラジオペンチを見つけたので確保した。ニッパーは切れ味抜群で感動したし、先端のしっかりした細いラジオペンチは弦を掴むのにとても良い。

⑨ESPマルチスパナ
ボリュームポット等のネジを締めるために購入。今までソケットレンチやウオーターポンププライヤーを使っていたが、手軽かと思って購入。メリットは、サイズを気にしなくて良いのでミリもインチもいける点、コンパクトな点です。デメリットは、上手に力をかけないと外れる点かな。

⑩トラスロッド用7mmレンチ
今までトラスロッドはソケットレンチや六角レンチで事足りていたのだが、ソケットが入らなかったのでSCUD WRE-7.0をPRS SE EG用に買った。う~ん。

⑪コンパクトソケット 10mm,12mm,13mm
https://www.toptools.co.jp/tools/drill_sockets-0015_316/
ESPマルチスパナを使ってみて、ラチェットドライバーの先にソケットを付けた方が良いのんじゃないかと思った。ホームセンターで3つで2000円少々で買えたし、超ロングシャフトのポットにも対応出来るので良いと思う。具体的には、ペグ固定ネジは10mm、国産ポットは12mm、CTSポットに13mm(ほんとはインチ)を使う感じだ。このソケットは六角なので、13mmをインチ代わりに使っても問題無い。PICKBOYの三つ又レンチも同じサイズのセットなんだよね。

⑫E-Value ソケットアダプターセット ESA-3
http://www.fujiwarasangyo-markeweb2.com/DispDetail.do?volumeName=00017&itemID=t000100089382
こいつも併せて持っておくと、ラチェットドライバー・電動ドライバーでラチェットレンチのソケットが使えるようになるので幅が広がりますね。

⑬キャンドゥー電動ドライバー(電動ストリングワインダー)
トルクは3.0Nm、USB-C充電、バッテリー容量800mAh、1320円。電動ドライバーのほか、ストリングワインダーとしての可能性を試すために買った。ペグのホルダーをどうするかノープランで買ってきたが、余ってたプラダンを切って箱型を作りガムテで外周を固定、底にマイナスドライバーが刺さる穴を開け、瞬間接着剤&重曹で固めてホルダーが完成した。重曹を使えばプラダンも接着出来ましたよ。手間がかかっているようなかかっていないような...まぁテスト用ですな。

一応、ギター関連でも使うアイテムというとこんな感じかなぁと思う。最後に述べた電動ドライバーがメインのネタなんだけどね。

そもそも電動ストリングワインダーはアニーボールからも売られているし、電動ドリルやビット対応のドライバーに取り付け可能なワインダービットも数社から売られている。そのうち買おうと思っているのが MUSIC NOMAD / MN220。わざわざ手間暇かけてワインダービットを自作する意味は無い。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/258878/

ストリングワインダーに電動ドライバーは使えるなぁという印象。ただし、ストリングワインダーとしてなら、もっとトルクが弱くてコンパクトな電動ドライバーでも良いような気がしますね。


良い道具を自分で探すのも楽しいですが、探している人の参考になれば良いかなと思う。私も、あったら良いかもを実感し、長年かけて増やしていった結果、結構そろったなぁという感じだ。信頼できるお店に調整を頼むのも良いと思っている。馴染みの楽器屋には長生きしてもらいたいから、何でもアマゾンで通販せず、可能な範囲でお店に部品注文してます。

2025年2月12日水曜日

PRS SE EG HSS その5

ギターの弦、どうやってペグに巻いてます?

私は今まで、何の工夫もなくペグに巻いてました。3,4,5,6弦だと2~3周くらい巻く感じとしてます。1弦2弦は1度はブリッジ側で切れても治せるよう5~6周巻いてますw。貧乏性ですみません。プレーン弦は巻数を減らした方がチューニングは安定するんだろうなぁと常々思っていたので、ちょっと自分に合ったやり方を模索してみた。フロイドローズとかヘッドレスは今まで通りで何も問題無いので気にしてない。シンクロナイズドトレモロ搭載ギターをどう巻くかという話だ。

結論を言えば「ギブソン巻き」という通称、余弦を使ってロックしてしまう巻き方を採用だ。これなら細い1,2弦を巻数最小にしても外れることは無いし、アームダウンした時にペグ部分での緩みも最小化出来ます。

体感したメリットを教えよう。PRS SE EGで試したのだが、絶賛調整改造中なので何度も弦をベロンベロンに緩めてピックガードを外したのだが、プレーン弦も外れたり緩むことが無かった。しっかりロックすれば弦に癖がつくんで、これは良いですね。ストラト系はコレで決まりですね。

あらためて巻き方を復習するのに見たのはここらへん。
https://www.myujic.com/post/2017/09/08/%E5%BC%A6%E3%81%AE%E5%B7%BB%E3%81%8D%E6%96%B9%EF%BC%88how-to-re-string-your-guitar
https://www.rockin.co.jp/repair/gibsonmaintenancestring/

巻き方で音も変わるらしい。
https://www.digimart.net/magazine/article/2016090102169.html

今現在、フニャフニャ09-42なのにEGさんの生鳴りは十分良いです。

ちなみに私、弦の巻き方による音の違いは分かりませんでした。というのも、弦高変えたり、ピックアップ高を変えたり、ピックアップそのものを変えたり、ポットも変えたし、配線も弄ったし、どこまで弦の巻き方が寄与しているか全く分かりませんw

何はともあれ、弦を緩めても外れる気配が無く安心感が違うので、ギブソン巻きはオススメです。

ただね、そもそもチューニングの安定はアームダウン後にナットが抵抗にならないことが重要。弦が09-42だとアームダウン後に2,3弦の音程が上がるが、チョーキングすれば戻るという感じ。ナットの滑りを改善できれば09-42でも問題無いんじゃないかと思うので、ナット交換&グリス塗布で対処しようと思う。

【テンション】
ダダリオで弦のテンションを調べてみたら以下だ。単位は日本人向けにミックスして整理してみた。張力が以下らしい。
https://www.daddario.com/string-tension-pro

    Gauge 24.75inch 25.00inch 25.50inch
1st 0.009     5.6kg     5.7kg     6.0kg
2nd 0.011     4.7kg     4.8kg     5.0kg
3rd 0.016     6.3kg     6.4kg     6.7kg
4th 0.024     6.7kg     6.9kg     7.1kg
5th 0.032     6.6kg     6.8kg     7.0kg
6th 0.042     6.1kg     6.3kg     6.5kg

    Gauge 24.75inch 25.00inch 25.50inch
1st 0.010     6.9kg     7.1kg     7.4kg
2nd 0.013     6.6kg     6.7kg     7.0kg
3rd 0.017     7.1kg     7.2kg     7.5kg
4th 0.026     7.9kg     8.0kg     8.3kg
5th 0.036     8.1kg     8.3kg     8.6kg
6th 0.046     7.2kg     7.4kg     7.7kg

張力なんで、チョーキングや押弦に必要な力というワケじゃないのだが、参考にはなる。09-42と10-46は結構違っていて、頻繁にチョーキングする2弦の張力が1.4倍になるワケです。そして最も慣性重量が大きい6弦の張力が弱く、4,5弦がピンと張っていることが分かる。

押弦する力を簡単に算出する方法は無いかな?と調べたら以下サイトが見つかった。
https://classical-guitar-ss.seesaa.net/article/2014-02-25.html

F=(4T/L)×uと表されます。ここで,T は弦の張力,u は変位で弦高に相当,L は弦長です...みたいに分かりやすく解説してくれています。

これで計算してみたら、09-42ロングスケール2弦で約0.10kgfの押弦力が必要ですが、10-46ロングスケール2弦だと約0.14kgfの押弦力が必要となります。
これを応用して、チョーキングを出してみよう。チョーキングで8mm持ち上げるとすると約0.49kgfのチョーキング力wが必要になりますが、3弦も2mm持ち上げるのが同時に行われるとすると約0.66kgfとなる。1音チョーキングには押弦との概ね合算となるので、約0.76kgfの指力wが必要ということになります。これが10-46で行うと約0.14+0.88=1.02kgfの指力wが必要になりますね。マジか。これってノートパソコンを指一本の指先で持てと言われているようなもんだと思う。うん、ハードだね。

もうね、なんかリッチー・ブラックモアのギター弦Picato RB77(10,11,14,26,38,48)が凄く理にかなっている気がしてきた。まぁそこに寄せるなら09-46かなぁ。

PS.アップ順を間違えたw

2025年2月7日金曜日

PRS SE EG HSS その6

EGさんを連れ帰ってきた時に付いていた10-46と思われる弦では、チューニングが安定していたように思う。09-42弦でナットにセラグリスHGを塗ってみたら、多少マシになった。やっぱ、このグリス、効くわ。辺見さん、ありがとう。
https://www.youtube.com/channel/UCSyT_wiXPQjk5TrZ9kD8_kg

だが、EGさんのナットは角ばっているし溝が深くて違和感が大きい。違和感があるなら削れば良いんだけど、大きな問題が無い純正ナットを削るのも気が引ける。
http://studiogream.blog.fc2.com/blog-entry-377.html
純正ナットの構造?ですが、溝は真っ直ぐ、ナットとペグに少しだけアングルがある仕様、弦溝に対し多少だが横方向の力が働く。ナットの片側に弦を寄せる仕様なのかな。何が良くて何が悪いか、よく分からん。

よく分からないなら、純正ナットを外して保存しつつ、Tusqに交換して様子を見てみるのが良いかもしれません。その方がスッキリするし、なにより弄るのが趣味だし、削るならTusqを削ろうw

というワケで、Tusq XLを確保した。PT-6643-00だ。少しE-E間が狭くなるが、PRS SEでのナット交換で定番商品。
E-E間に拘るならPT-6010-00のGibsonタイプが流用可能と思うが、ナット幅(奥行方向)が2mmほど短い。保険かけてこちらも併せて確保したので、使わなかったら他ギターに使っても良いだろう。

純正ナットは、あて木してプラハンで軽く叩いて外した。純正ナットとPT-6643-00を見比べてみたら高さを削らなくても良いかもしれない...溝が浅い分、ナット高が足りるか不安になるくらいだった。まずは固定せず挟み込んで軽く試奏してみた。何も削らず入れても演奏できるレベルではあったが、少々ナットが高いと思った。特に、3フレットを押さえて1フレットと弦の間隔を見ると0.3~0.4mmくらいある。比較対象に、先日シム調整したKillerを見たが、こっちは0.2mmくらいに見える。これでも十分以上に高いと思うが指標にしよう。紙一枚が滑り落ちないくらいの高さが良い?とか言われているので、0.1mm以下で良いハズだが、09-42のテンションの低い6弦解放がバズりまくってもイヤだし、フレットに変な溝が出来てもイヤなので、0.2mmくらい削れば良いかなと考えた。

さて、PT-6643-00を付けよう。弦と溝が馴染んだら少し下がるかもという前提、指板10インチに対しナット12インチなのかな?という雰囲気から、3,4弦でバズらないように配慮しつつ、全体的にナットの底を180番のペーパーで0.2mmほど削ることにした。削ってはナットを入れて様子を見ること3回程度、もう少し削っても良いかもくらいで今回はやめることに成功した。いや~、ついつい攻め過ぎちゃうんだよねw
ナット設置個所を触ってみたけどボンド残りなどは無く綺麗なもんだったので、ナット底面に瞬間接着剤をちょんちょんと付けてナットを固定した。

Tusqに変えてチューニングの安定性はどうなったかというと、セラグリスHGを塗った純正ナットと変わらんw。ただ、少し音は固くなりゴリっと芯が出た気がする。馴染むまで様子見ですかね。
純正サドルを削った例に倣い、Tusqを成形しても良いかも。
http://studiogream.blog.fc2.com/blog-entry-377.html
Gibsonでもよく見るのが0フレットあたりの接点以降は山自体を削りこんでしまう手もあり、PRSでもやってる人がいる。ここらへんはルシアーの考え方次第なのだが、ガンガン削っても良いのかもしれない。
https://www.guitar-craft.com/02_repair_file/0957_PaulReedSmith_Custom24/index.html

ナット交換前

ナット交換後



【サドルネジ短縮】
6弦オクターブチューニングは弦を最長側に調整して何とか適正になった。その代わり、オクターブ調整ネジのサドル穴から頭を出したネジが気になった。2mm程度切断し切断面をヤスリで処理した。思ったより短くなったので、ヤスリで1mmくらい削るのみという方法でも良かったかもw。あと、6弦オクターブ調整バネは切断済みに見えた。

【弦が切れる】
EGさんを色々弄って、何度も弦を緩めて部品を外し...というのを繰り返していたわけですが、その間に、1弦が切れ、2弦が切れ、4弦が切れた。ポールピースに巻いていた分を出してボールエンド部をねじねじして1,2弦は誤魔化して使ってきたが、4弦はさすがに巻きが足りず無理だった。新品NANOWEBだったのに2週間と短命に終わった。いくらなんでも弦切れすぎ。仕様が落ち着くまでフェルナンデス安弦を使って、様子見かな。