2025年3月17日月曜日

トレモロストッパー的な何か

ストラトのシンクロトレモロブリッジをボディにベタ付けにしている人も多いだろう。ようは、ブリッジが動かないのでペグを回すだけでチューニング出来るし、多少の弦の太さの違いやダウンチューニング等への対応も楽だよね。
ただし、完全フローティングな2点止めシンクロタイプとかフロイドローズの場合、ボディベタ付けは簡単には出来ません。そんなアーム付きギターのチューニングを安定させるアイテムがある。ESPアーミングアジャスターがメジャーですね。これはアームアップは固くなるけど出来るシステムですね。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/32697/?srsltid=AfmBOooC-Q-SFWFRSIijqKsIphu3bQSBMzHIQ8IZWhrPg0RV5mIbNSJN

全くアップ出来なくしてしまうストッパーの市販品があった。Tremolo Stopperというらしい。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/284718/?srsltid=AfmBOoqQz94G1X63t8mWhosOX_7a8I8j_UgWnvGSDilA0x0UYKZD0LLr

そもそもジェフベックのような微妙なニュアンスを求めるアーミングは必要なくアームダウンしか使わないというのなら、うちのKillerギターのようにボディ裏側のイナーシャ―ブロックを着地させるようなボディザグリとした割り切った仕様が考えられる。だが、そんな奇特な仕様のギターは稀で、ブリッジ機構的に出来ることをボディマウント段階で捨てるワケですから、数が売れるわけがない。そのせいか知りませんが、今のKillerはアームアップも出来るボディザグリになってます。
完全フローティングマウントのギターで、これを真似しようと思ったら、イナーシャ―ブロックとボディの間に、丁度いい厚さの板状のものを挟むと良いです。私もガキの頃、試してました。そもそも、ストラトのブリッジベタ付けだけだと少しブリッジが動くので、てこの原理で考えてもイナーシャブロックの先端に近い部分をボディに密着させた方が安定するというのが持論です。
ダウン専用にはもう一つメリットがあって、ブリッジの戻る位置はイナーシャブロックが着地することにより安定するので、少しだけバネを強めにすればナイフエッジが多少劣化し渋くなっていても、きちんと定位置に戻るようになる。どういうギターが想定されるかというと、ナイフエッジ強度がダメダメという噂のフロイドローズ1000搭載とか、何十年も経ったブリッジとかです。ブリッジ交換まではしたくない、アップは捨ててもダウンは使いたい、ついでにチューニング安定するならアリ...と思う人なら、安価な今回の方法が良いかもしれません。

そんなワケで、Pacifica 721DHのブリッジを自作ストッパーでダウン専用化してみた。なお、折角市販品のESPアーミングアジャスターがあるんだから、それを使うのが一番だと思ってます。色々諸事情があって代替案を考えているなら私の方法を参考にしてください。私は単に、そんなもの買わなくてもアームアップ出来なくていいなら安く出来そうだなと思ったからやるだけです。

【フローティングのシンクロ・フロイドローズ共通 アームダウン専用ステーDIY】

対象機器ですが、フロイドローズ系は当たり前、Wilkinsonなどフローティングのシンクロ、他にPRSの6点止めだけど完全フローティングマウントのシンクロが対象になると思います。
PRS SEユーザーには、頻繁にチューニングを変えるからアームはダウン専用になってもいいからブリッジ戻り位置を固定したい...そういう人が多い気がしますね。

では実践です。
材料は以下をホームセンターで買ってきます。


・小さいL字ステー
 →穴はM3ネジが入り、そこそこ強度があれば良い。
 →現品処分で2個入り30円だったw
・M3 長さ25mm程度のネジ・ナットセット
 →ステー固定位置がブリッジザグリより2mmくらい手前を想定
 →ネジを最短にセットすれば、従前と変わらずアームアップ出来る
 →だいたい150円くらい
・M3 長さ16mmのタッピングビス
 →ステー固定用で、そこそこネジが効くよう長めが良い。
 →長すぎたらニッパーで切れる安いネジ推奨。
 →根本までネジ山があった方が良いと思う。
 →だいたい150円くらい
 →切るのも面倒で、結局家にあった12mmを使用w

私は材料費が500円もせずに済んでしまいました。家にあるネジを使えばステー代だけですんだハズだけど、ユニクロムのネジは安いのでバッチリ合うサイズも調達して来た感じです。取り付けようとしてから、丁度いいネジが家に無かったら面倒だし、長すぎたら切らなきゃならんからユニクロムのネジが良かったんです。

組み立ては、ホームセンターで買ったL字ステー短辺側にM3ネジをダブルロックネジで固定し調整式にしつつ、ステーはボディにタッピングビスで固定するという方法。
これで弦が1本切れてもチューニングが狂わない程度の強度は確保出来ると思います。こいつのミソは、スプリング1本分の太さと概ね同じなので、スプリング3本+ステー2本という構成も可能な点でしょうかね。無理に真ん中にステー1本という仕様に拘らず、左右対称で強度確保も考えてステー2本式にしても良いかもしれません。

アームが着地する時の音が気になるという人がいますが、緩和するためイナーシャブロックに薄い布とかを貼る程度ですかね。私は家に合った両面テープ付の薄い布?を、1cm角に切って貼りました。当初は1mm厚のゴムを貼ったんだけど、4弦が切れたら半音くらい上がったので、ほぼ厚みゼロの布的なものを貼りました。なお、アーム着地時の音は、普通に使う分には聞こえません。

あと、ステー固定用のネジは下穴φ2.0をドリルで開けましたが、厚さは10mmも無くピックアップの底?に貫通したので固定ネジは12mm以上だとヤバいと思います。それとイナーシャブロックの高さがギリギリすぎたので、L字ステーのストッパー用穴はφ3.2をギリギリ低く穴開けし直してますし、取付難易度的にストッパーネジは長さ15~20mmの方が良かったかもしれません。調整式にする必要が無ければ、真っ直ぐなステーでも良かったかもしれませんね。

というワケで出来た。ストッパーを付けたらアームダウンしてもバチっとチューニングが安定したし、チョーキングしても他の弦のチューニングが落ちない。兎に角、音程のズレが無くなるので弾き心地がスッキリしました。私の実感としては、Pacifica 721DHで私の求めるギター像は網羅されていたんじゃないの?って思ったくらいです。良いギターになりました。

フロイドローズライセンスのブリッジが付いてて、ナイフエッジに限界を感じているなら、ストッパーを付けダウン専用にすると幸せになれるかもしれませんよ。というか、ダウン専用にしたフロイドローズ系ギターはチューニング安定に関しては最上級、これ以上は無いだと思いますよ。アームアップは失いますが、それ以上に得るものが大きいと思います...あまり理解されないと思うけどw

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